学生ヒッチハイカーにお金をだまし取られた件について
こんにちわ。おっちゃんです。
近年ヒッチハイクをして日本各地を回る学生を結構目にするのですが流行っているんですかね?それとも昔から??
今回はそんな学生ヒッチハイカーにお金をだまし取られた(であろう)ことについてお話ししようと思います。
ちなみにこの話、夢みたいなお話ですが事実です。ノンフィクションです。
あれはちょうど1年ほど前、天気のいい日のことでした
1年前、私はとある作業員として働いてまして、現場に向かっている最中のことでした。
ちょっと早く家を出過ぎてしまった私は、永福パーキングエリアに車を止めて時間調整のために一服していたわけですよ。
ちらっと目の前のベンチに目をやると20歳くらいの男の子がこちらを見ているんですね。目が合った瞬間、ニタリとほほ笑んでこちらに近づいてくるじゃありませんか。これが噂のヒッチハイカーだなって直感でわかったわけですよ。
ただ、これから仕事に向かわなきゃならないし、会社の車だし、話は聞いてみたいけど、どうやって断ればいいんだろって考えていた矢先のことです。
「コンコン!」車のドアをノックされました・・・。
「え・・・あ・・・早ぇええええええ・・・・」と思って窓を開けたんです。
謎の男「あの~すいません、お仕事中ですよね?」(にっこり)
私「え?あ、はい、仕事中ですが・・・どうかしましたか?」(に、にっこり)
ここで好奇心旺盛に食いついた私が悪かったのですが、謎の男のからでてきたのは想像どおり「ヒッチハイク」の言葉でした。
悲劇の青年、斎藤
謎の男は「斎藤」と名乗っていました。話を聞くと「大阪に大学のゼミの関係で滞在していたが、帰り道に財布の入ったカバンが置き引きされて、しかたなくヒッチハイクで秋田まで帰っている途中」とのことだった。
私「うわぁ・・・それは災難だったんだねぇ、ここまではヒッチハイクで来たの?」
斎藤君「そうなんですよ、長距離トラックとかで乗せてくれる人がいて・・・」
更に話を聞くとこの斎藤君、2日前からサービスエリアの水とトラックドライバーからもらったパン1つしか口にしてないとのこと。
最初は私も拒否していたんですよ。
私「秋田方面に行くドライバー探しなよ、秋田じゃなくても北方面にさ、残念だけど俺都内で仕事なんだよね・・・。」
斎藤君「もうこのパーキングのドライバー全員に聞いたんです、誰も乗せてくれないんです。お願いします。」
今は1kmでも秋田に近づきたいらしく、数分でもいいから乗せてくれ!と懇願してきたんですよ。もう完全に同情MAXでウブな私は今思えば、禁断の言葉を言ってしまいます。バルス!
私「じゃあ、ほんとに少しの距離だよ?次のパーキングとかでもいい?」
斎藤君「ありがとうございます、本当にありがとうございます!」
異臭漂う密室で・・・
そういうわけで斎藤君をのせて首都高に乗ったわけなんですけどね。
まぁ・・・なんというか・・・臭いんですよ、斎藤君が。
パーキングで話しているときから薄々は気づいてはいたんですが・・・。
「ウ●コもらしただろお前!」とキレたくなるくらいの激臭。まさにお風呂に入っていない人の匂い。所為、ふんにょう臭。
まぁ2日間もヒッチハイクしてるわけだから当然お風呂にも入れないんだろうな・・・と思い、彼のナイーブな心を傷つけないように1mm、また1mmとパワーウインドウを紳士的に開けていきエアーのリフレッシュをせっせと行っていたんですね。
そんな異臭漂う中、斎藤君が話し始めます。
斎藤君「あ、すみません。名前聞いてなかったですね。えっと・・・」
私「あ、俺?藤崎(仮)って言います。」
斎藤君「藤崎さん、僕、こうやってヒッチハイクを大阪から続けてきて、全員にこの質問しているんですけどね・・・」
私「うんうん」
斎藤君「もし僕と同じ状況になったらどうしますか?」
私「親とか友達に頭下げて迎えに来てもらうかな~、ヒッチハイクは思いつかないや」
斎藤君「珍しいですね、他の皆さんはお金を借りて帰るって言ってましたよ。」
私「・・・借りる?誰に?」
斎藤君「こうやって知り合った人にです。」
もう一度言っときますがこれノンフィクションですw
この辺でさすがに胡散臭いなと思い(車内は本当に臭い)、新手の詐欺か?と思ったので彼の情報を聞き出すことにしました。
主に話した内容は以下の通り。
- カバン盗まれて警察に行ったでしょ?お金借りれないか頼んでみたの?→頼んだけど身分が証明できないから貸してもらえなかった。
- 家族や友人に連絡はしてみた?→見ての通り(スマホを見せながら)スマホの電池が切れていて番号もわからず連絡できません。
- じゃあ、家に電話してみたら?番号覚えているでしょ?→うち片親しかいなくて母さんに迷惑かけれません。
- 他人にお金借りても迷惑になるんじゃないの?→じつは母さん仕事が不定期で今家にいないんです。
今思い出せば完全に黒なんですが、当時の私は富士山の水より純粋で無垢だったため、そうなんだ・・・つらいだろうなぁ・・・でも知らない人にお金貸すのもなぁ。と心が揺れ始めていたんです。ほんとバカスwww
それでも車を止めるわけにも行かず、結局首都高を降りて、最初に居た永福パーキングエリアよりも車通りが多いコンビニの駐車場に止まりました。
コンビニでパンを買ってあげた!
ここで私は斎藤君に「何か食べたい物買っていいよ、飲みものも買っておきなよ」といって店内に連れて入りました。
斎藤君は一番安い100円のパンと1番安いオリジナルブランドのお茶を選んでいました。なんて謙虚な選択を・・・と少し感動しながら購入したパンとお茶を差し出すと、斎藤君は「ありがとうございます!後でいただきますね!」と今にも泣きだしそうな顔をしながら、そのパンを・・・
カ バ ン に 入 れ ま し た
私「カバンもってるじゃん!」
彼はカバンを置き引きされたと言っていましたが、大き目のコートを着ていて気がつかなかったのですが、中にカバンというか「ボディバッグ」のようなものを装備していたのです。
聞いてみると「盗まれたのはリュックでボディバッグは身につけていたので無事だった」とのこと。
そんなカバンのことなんて気にならないくらい斎藤君の謙虚な姿勢に、私は最後の決断をしてしまいます。
お金・・・貸してあげるよ。
バカです。ほんと大バカ者です。その時の自分に会ったら、ぶん殴ってでも止めると思います。
だけどこの時私の頭の中は「斎藤君のために必死で働いているシングルマザーのお母さん」「俺の財布の中身を気にして一番安いパンを選んだ斎藤君」「置き引きにあって臭くなった斎藤君を大阪から東京まで運んで来た見知らぬドライバーさん達」そんな人達の力になりたいって思ったんですよ。いや、本当にw
財布の中には3万円ほど入っていたので、全額貸しました。「これで足りるかな?」って言って手渡したら斎藤君はまた泣きそうな顔をして「ありがとうございます!新幹線じゃ無理ですが夜行バスでなら帰れると思います!」と言っていました。
一応お金を貸したので多少の情報は聞いておいたんですよ。そのときした会話は以下の通り。
- どこの大学?→秋田経済法●大学の経済学部です。
- どうやって返す?→振り込みになると思いますが家に着いたらすぐに返します。
- 電話番号おしえて?→自分の番号(2日間寝てないので)うろ覚えなので、藤崎さんの教えてください!
- いつまでに返すとか言わなくていいから帰ったら連絡もらえる?→わかっています!絶対連絡します!
- 返せるあてはあるの?→貯金があるので大丈夫です!
電話番号の件なんかは少し「んっ?」と思うところはありましたけど、お金を貸した以上あまり深く聞くと、詐欺扱いしているようで失礼かなって思ってそれ以上は聞きませんでした。これも今考えると私がクソみたいな質問しているのでイライラしますねw
そして彼は消えていった・・・
コンビニの近く(700mくらい)に丁度駅があったので、そこまで送ることにしました。が、ものすごく遠慮してたので駅前通りまで送るよ。ってことになりました。斎藤君は終始笑顔で「いやぁ、助かりました」を連発していましたよw
なんでも卒業後は居酒屋の経営をするつもりだとか言ってました。「じゃあ俺が仕事なくなったらそこで雇ってよw」「あ~!もう全然いいっすよ~」みたいな会話をしていたらほどなくして駅前通りにつきました。
降ろしてあげると斎藤君は「ありがとうございました!お仕事頑張ってくださいね!」と一礼をし、そそくさと駅へと歩いていきました。
ええ、そうです。もうタイトルでネタバレしちゃっていますが、この後、斎藤君から連絡が来ることはありませんでした。
数時間後、騙されていたことに気が付く
その後仕事に戻った私は、休憩時間にスマホでいろいろ調べてみたんですよ。
まず調べたのが、「遠方で置き引きにあった場合どうすればいいのか」ということ。
これについてはやはり「警察に貸してもらえる」の経験談が多くあり、彼の言っていた「身分証明ができないから貸してもらえなかった」というのはウソだったwという疑惑が出てきました。
そんなはずはないと震える手で次に調べたのがコレ
「秋田経済法●大学」
検索ボタンを押した瞬間に目の前が真っ暗になりましたよ。なんとそんな大学存在してなかったんですから。いや、正確には「あった」んですが、7年前に学校名が変わっていて「ノースアジ●大学」と言う名前に変わっていました。
これで騙されたことは「ほぼ確定」だと思います。
もう私はヒッチハイカーを助けることはないと思います。
もちろん騙された私にも非がありますが、金を得るために人の善意を悪用するなんてこと。そんなことする人、日本にはいないと思っていました。
私は声を大にして言いたい!
ヒッチハイカーの何%にそういう輩が混じっているのか知りませんが、騙された側としては非常に不愉快なんですよコレ!
えぇ!まだ女子大生なんかだったら「騙されちゃった~でもドライブ楽しかった~あはは」で済むかもしれませんがね!
ふんにょーしゅーしかしない野郎ですよ!どうせ買ってあげたパンなんてね!駅のごみ箱にぶちこまれたワケですよ!
はぁ、はぁ・・・すみません。少し取り乱しました。
こうしてたら騙されなかった!?
まぁ今思えばこんなことができたかもっていうのを上げてみますね(ほんと後の祭りですけどね)
- すぐにスマホで調べて警察で借りれることを言い、警察に連れていけばよかった。
- スマホの充電がないと言っていたが、3万円渡さずにスマホのモバイルバッテリーを買ってあげればよかった。
- 家の住所を聞き、またそれが本当なのか調べればよかった。
- 電車賃を調べてからお金を渡すべきだった(新幹線で3万円もかからなかった)
- 大学が存在しないことをその場で調べればよかった。
- うろ覚えだという携帯番号を聞いて、その場でかければよかった。
ってこれだけ言っておいてなんなんですがね・・・騙されていて良かった部分も実はあるんじゃないかなと思えてきました。ヒッチハイクって乗せてもらうほうが危険なイメージありますけど、乗せた人(ドライバー)が危険にさらされる可能性もあるんですよね。
いや、どういうことかというとですね、騙されてることに気付いた場合、最悪、逆上されて刺されたりしたかもなぁ、と思うわけですよ。ボディバッグも持ってたし、騙す気満々なら危ないもの持ち歩いてそうですしね・・・。まぁ、命が取られなかっただけよかったんですよね。
命に比べれば3万円なんて・・・さんまんえんなんて・・・。
いやぁ、やっぱり悔しい!悔しいで!
駅前通りに降り立った斎藤君、どう思ったんだろ・・・。
フヒヒ・・・楽勝楽勝!とか思ってたんかなぁ。
斎藤君!俺は信じているよ!眠くて訳の分からないこと言っちゃったんだよね?とりあえず、これ読んだら半分でいいから返してくださいおねがいします。
純粋にヒッチハイクをエンジョイしている人達へ
まぁ、いろいろ書いてきましたが、こういった人がいることを覚えていてください。私はヒッチハイクをしたことが無いのでわかりませんが、こういった人のせいでヒッチハイカーを信用できなくなっている人もいるということは理解してください。
いや、そもそもヒッチハイカーって物乞いをするのがデフォルトだったりするんでしょうか?これだけおごってもらったら上級者的な・・・ないですよねw
あ、そうそう!
私も騙されたと気づいて「ヒッチハイク 詐欺」検索してみましたが、そういった記事は、ほとんどヒットしなかったんですよ。私がレアなケースなんですかね?
とはいえ検索流入によるアクセスが少ないことを願っています。
かなりの長文になりましたがこの辺で失礼しますw
ではでは。